FIDEAの建物はダブル断熱構造が標準です。また、外装の仕上げも自由ですが、標準仕様としてFIDEAの「塗壁仕上げ」をお勧めしています。
一般的な壁の構造です。
柱の間に断熱材を入れて、耐力面材→透湿防水シート→胴縁→外壁仕上げ材といった構成になっています。
ローコストモデルは耐力面材も無い場合があります。
木造在来工法では、ごく一般的に普及している構造なので、さほど問題無く思えますが、「ローコスト」以外にメリットがあるようには思えません。
「ローコスト」を重要視しているのであれば、問題ありませんが、その後の温熱環境や建物の耐久性は大きく変わってきます。
上図では。この一般的な木造在来構造の断熱材(黄色い部分)が見えた状態です。
一見、断熱材で覆われているようですが、実は覆われていません。
図の矢印が示す部分に関しては黄色くなっておらず、構造材の木部(柱、土台、梁、間柱)が見えています。
木材自体は多少の断熱力はありますが、黄色部分で使われるような断熱力はありません。
この部分を「熱橋」と呼び、断熱欠損分として扱います。 この熱橋があるとどのような問題があるのでしょうか?
写真①
写真②
写真①は、この熱橋が起きている状態です。外壁の色がムラムラに濃い部分と薄い部分になっているのがわかるでしょうか?写真②は色を付けて濃くなっている部分をわかりやすくしたものです。断熱材が梁・柱の位置に断熱材が施工されていない為、室内の熱、外からの熱が自由に行き来している状態です。
特に北側に面する外壁は熱橋、断熱材の性能不足によって顕著に現れます。
冬場に断熱材が無い部分(熱橋)から室内の温かい熱が逃げて、外壁面で結露している為、濡れた部分に苔やゴミが付着し、外壁を汚しています。また、ほぼ冬季は外壁が結露した状態に陥る為、外壁の劣化が進行します。
夏場はこの逆で、外部の高い気温の熱が室内側に入り込み、壁体内結露を引きおこします。この壁体内結露は壁の中で結露しその水分によって「カビ」が繁殖します。これが、室内も部屋に侵入し人体にも害を及ぼします。
この現象は建てて直ぐに起こります。
この事から、せっかく手に入れたマイホームがこの様な事態に陥り、その後、建物の修繕費にお金がかかり、なおかつ住んでいる人体に健康被害をもたらすため、お金だけの問題ではなくなります。
FIDEAがお勧めする外壁のカットモデルです。内部から外部までを表しています。
FIDEAがお勧めする外壁の構造は、ごく一般的な外壁構造に1つ追加していきます。
ごく一般的な外壁構造は、「内断熱工法」と言います。しかし、先ほどの説明に基づきますと、ローコスト以外にメリットはあまりなさそうです。
そこで外部にもう一つ「断熱材」を加えます。これを「外断熱工法」と呼びます。この外断熱を加えることによって、梁・柱・土台・間柱等の構造材によって断熱が無かった部分を完全に覆います。この外断熱材によって熱橋の部分が無くなり、更に断熱材の厚みが増して高性能断熱になります。
断熱材不足による熱の漏れや進入を無くし、健康で快適な室内環境を提供できるようになります。
内断熱 グラスウール10kg 100㎜
外断熱 押出法ポリスチレンフォーム断熱材 3種bC 55㎜
上記の壁仕様の場合、
壁の平均熱貫流率 U=0.222 (一般的な住宅でU値=0.5~1)
と、FIDEAがお勧めする仕様は、平均値の半分以下の数値となります。
冬季東海地区では、夜間は0~5度程度まで気温が下がりますが、外皮平均熱貫流率0.87の家だと、部屋の暖房を付けずにいると、朝方には室内温度が10度以下まで下がっているということもしばしばあることが予想されます。室内の暖かさを保つためには他にも気密性など多くの要素が関わってきますが、室温が10度未満だとヒートショックなどの危険性も高くなります。
熱貫流率(U値)は熱の伝えやすさを示す値で、断熱材などの性能を推し量る際に使われることが多いです。数値の意味を説明すると、室内と室外の温度差1度に対して、1時間に壁1㎡あたりで通過する熱量の大きさを示し、値が小さいほど断熱性能が高いということになります。各建材の素材の熱伝導率の合計は建材の材質ご持つ熱伝導率に厚さ(単位は1m)をかけたものを、使っている建材の数だけ足していき、さらに室内と室外の熱抵抗を足したものを使います。
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断熱等性能等級とは? |
FIDEAお勧め仕様の断熱等級(標準仕様)
外⽪平均熱貫流率 UA=0.4 W/(㎡‧K) 断熱等性能等級6 HEAT20 G2グレードを達成しています。
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断熱等級と快適性
高い断熱等級:
外気温に左右されにくく、快適な室内環境を維持できます。
光熱費:
断熱性能が高いほど、冷暖房の効率が向上し、光熱費を抑えることができます。
家の価値:
高い断熱等級は、家の価値を向上させる要素にもなります
UA値とηAC値
UA値:
外皮平均熱貫流率で、室内の熱損失の指標です。数値が小さいほど断熱性能が高いです。
ηAC値:
冷房期の平均日射熱取得率で、太陽熱の室内への侵入の指標です。数値が小さいほど遮熱性能が高いです。
断熱等級と省エネ
省エネ:
高い断熱等級は、住宅の省エネ性能を高める効果があります。
ZEH:
ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の認定を受けるには、断熱等級5以上が必須です。